資金計画を作りたいんだけど、何をしたらいいのかわからないよ・・・。
資金の見通しがない事業はいつか破綻するので大切なことです。
資金計画の項目も踏まえて説明します。
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計画段階での資金
主な費用は次の通り。
・専門的業務を依頼するための費用
→コンサルタント(事業推進、商業、誘致など)費用、 弁護士費用、税理士費用、不動産鑑定費用 など
・組織の維持運営そのものにかかる費用
→事務所家賃、水光熱費、旅費 など
・地区外へ転出する権利者への補償費用
法律上は、組合が発足してから支出されることになる費用は、実態において、準備組合段階で仮契約などのかたちで処理されている例が多く、この処理がスムーズに進んでいる地区ほど、事業化に成功していることが多い。
この段階では、事業の見通しが必ずしも明確ではないことから、一般的に資金調達に困難性がつきまとう。
資金調達の方法としては、地権者が持ち寄り定額を組織に出資する方法や、金融機関から融資をしてもらう方法、事業協力事業者から借りる場合などがある。
しかし、実績のない組織が金融機関から融資を得ることは困難であり、債務保証を必要とする場合がほとんどである。
そのため、事業協力事業者から借り、事業過程において返済していくことが多い。
一方で事業頓挫した場合は、返済することができなくなってしまうことから、安易に多額の金銭を借りることはよくないということは言うまでもない。返済のために地権者が賦課金という形で金銭を出資し返済している事例も全国にはあるが避けたい事例である。
事業段階での資金
主な費用は次の通り。
・調査設計計画費の算定
調査設計計画費のうち、地盤調査費は施設建築物の規模と配置からボーリング箇所数と深さを決め、これを基に算定する。
事業計画費のうちの基本設計費及び建築設計費は、施設建築物の工事費と設計料率とで求めることができる。
一方、基本設計費を除く事業計画作成費及び権利変換計画作成費は、その作業に要する時間と人手から算出され、権利者の数と説得への難易度に左右されることから、ある程度経験的算出にならざるを得ない。
・工事費の算定
工事費に関する費用は、施設建築部工事費及び現状建物除却整地費、仮設店舗設置費、公共施設建築工事費等があげられるが、これらは概ね工事費単価とそれぞれの面積等を乗ずることによって算出される。
工事費は支出のうちに占める割合が非常に高いことから、十分な調査を実施し、実情にあった単価を設定する必要がある。
・補償費の算定
各種補償費目に関する補償基準に基づき算定するが、補償単価の設定にあたっては、各種補償項目に関する現況や周辺水準の調査を行い、適正な単価設定が必要となる。
・資金調達計画
収入金は、一般的には補助金及び公共施設管理者負担金、保留床処分金が考えられる。
補助金については、単年度枠内で執行されることから、常に補助金の執行状況を把握しておくと同時に、事業収支計画を立てるのにあたって、安全率を加味する必要がある。 保留床処分金については、保留床の規模と市場価格等を勘案し算定するが、最終的には保留床取得者との協議により決定される。
事業費は、床原価の算出の基礎となるもので、権利床面積や保留床価格に直接関係する。事業資金の大部分は保留床処分金でまかなうが、資金計画は経営採算的に事業が成り立ち、かつ、権利者の同意が得られているかどうかも事業の成否を判断する基本的事項であることから、準備段階で十分検討する必要がある。
また、工事完了後の保留床処分による資金回収までの事業資金(つなぎ融資)の準備の検討も重要で、この段階で具体的な相談を行い、綿密に打ち合わせておおむねの融資見込みをたてておくことが必要。
事業リスクを少なくするためにも事業者の参画制度を活用する必要もある。
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