私の建物資産はどうなるのか・・・。
組合設立後は地権者個人個人の資産(=権利)を新しい建物の変換する計画書を作成します。
そのプロセスについて説明します。
前提として地権者が作業することは一切ありません。
業務委託しているコンサルタントが作成するので作成協力をしましょう。
このページは現役の再開発プランナーが作成しています。
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権利変換計画の内容
権利変換計画には3つの型が存在する。
1)原則型による権利変換
2)地上権非設定型による権利変換
3)全員同意型による権利変換
しかし、現在では、ほとんどの事業で「地上権非設定型による権利変換」が採用されていることから、ここでは、地上権非設定型による権利変換の特徴について説明する。
施設建築物の一部を区分所有することとなる者はすべて、施設建築敷地の共有持分とをセットで取得することとなり、また、原則型と同様に全員同意によらなくとも採用することができる。原則型と最も異なる点は地上権を設定しないという点である。
この所有形態は、民間マンション等の分譲住宅でよく用いられている。この権利変換によれば、従後の権利関係は、土地は建物の区分所有者による一筆共有となり、保留床購入を含めた全権利者が土地及び建物について同じ権利を有することとなる。
権利変換を希望しない場合の申し出
権利変換は、全員が権利変換をすることが前提となっており、権利変換を希望しない権利者はその旨の申し出をしないと自動的に権利変換を受けるものと見なされる。
従前の権利に変えて新しい権利を与えられることを希望しない人には、その旨を申し出る機会を与え、権利変換計画を定めるにあたってどのように権利が移行するかを明らかにする必要がある。関係権利者は組合設立の認可の公告があった日から30日以内に施行者に対して申し出ることができる。申し出る理由の多いものは次の通り。
・工事中施行区域外で居住し、工事後に戻るため、2度短期間で引っ越しをしたくない
・高齢のため、子供夫婦のもとへ居住拠点をかえる
・投資目的で権利所有していたことから現金化する
この申し出は、土地所有者や借地権者にとっては従前の権利に代えて金銭の給付を希望することになり、建物所有者は建物に代えて金銭の給付を希望するか、建物の移転を希望することになる。また、借家権者は借家権の価値にあたる金銭を受け取ることを希望することになる。
申し出期間中に転出するか残留するかの最終的な意思決定を行うことで、新しい建物に権利を移行する地権者を確定することができる。
権利変換計画書の作成
土地調書や物件調書が完成し、権利変換を希望する人としない人が確定すると、施行者は評価基準日に資産価額を算出し、関係権利者の権利変換の内容を定めることになる。これらをまとめたものが権利変換計画で、配置計画図と権利変換計画書で構成される。
配置計画書の構成内容
1)各権利者の取得する床の配置や用途を表示した施設建築物の各階平面図
2)各施設建築敷地の区域図
3)公共施設の平面図
権利変換計画書の構成内容
1)権利変換を希望する各宅地所有者及び借地権者や建物所有者、借家権者、担保権者などの権利の種類や内容及び価額
2)権利変換を希望せず、転出する権利者が失う権利の種類及び内容や価額とそれに対する補償金の支払期日や方法
3)過小床のために権利変換を希望することができない権利者の種類及び内容や価額
4)参加組合員に与えられる床の明細
5)施行者の取得する権利の内容やその帰属及び管理処分の方法や賃貸する場合の標準家賃、借家条件の概要
6)特定建築者に施設建築物を建築させ、その全部または一部をその物に取得させる場合には、その旨及び取得させる床の明細
7)施設建築敷地及び地上権の価額と地代や借地条件の概要
8)新たな公共施設の土地の帰属
9)権利変換期日と土地明け渡しや工事完了の予定時期
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