再開発事業を始めたくても誰に相談したらいいかわからないよ・・・。
再開発事業にも専門家はいます。
今回は専門家である再開発コーディネーターについて説明します。
このページは現役の再開発プランナーが作成しています。
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関係者間の利害調整
関係権利者及び保留床取得者は、それぞれ利害相反する側面を持つ。例えば、保留床価格を限界まで高めると、保留床取得者の利益が下がり、権利者の取得する権利床面積が大きくなる。
逆に保留床価格を低く見積もると、床取得の保留床取得者のリスクは軽減されるが、権利床面積が下がってしまう。
また、例えば建設と保留床処分を担う事業協力者が建設系企業と不動産系企業との共同企業体の場合では、保留床の取得価格と工事費は、利益が相反する事態を生じかねない。
このような関係権利者及び事業協力者といった立場の異なる者の利益相反を調整し、権利者の適正な権利を保全するとともに、関係者の利益調整を図ることがコーディネーターの第一の役割である。
このため、コーディネーターは多くの再開発事業の調整実績を有するとともに、関係権利者や事業協力者、地方公共団体からの信頼を得られる資質が求められる。
コンサルタントの統括機能
再開発事業のコンサルタントは多岐にわたるが、これらがバラバラに作業をしていては、計画をまとめることができない。
専門コンサルタントを統括し、適切な時期に適切な作業を行うようコンサルタント全体を機動的に指導する統括的なコンサルタントとしての役割も、コーディネーターの重要な役割である場合が多い。
コーディネーターと統括的なコンサルタントが別であっても、常に円滑な意思疎通を維持する必要がある。
また、事業協力者が専門コンサルタントのいくつかの業務を担うことも多い。
このために事業の各論の知識に加え、広い俯瞰的な専門知識が必要であり、再開発事業の最も手間のかかる過程がどこにあるかを認識し、シナリオづくりのためにすべての事業関係者から情報が集まってくる資質が必要である。
また、先行事例にとらわれず必要であれば新しい制度手法や技術を大胆に取り込む器量も必要である。
コンサルタントと事務局
コンサルタントと事務局は事業の推進のために業務を受託する立場にあり、事業の関連する者(関係権利者、事業協力者、地方公共団体等)とは事業への参加目的が異なる。
事業協力者からの出向者が事務局に参加する場合があるが、基本的に再開発事業の促進が派遣元の企業と組合で共通利益であることから、日常業務には特段の障害はない。
しかし、例えば、特定業務代行者の選定の場合などは、派遣元の会社と施行者との利益相反が生じないような立場にするなどの配慮が必要である。
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