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必須問題(文章記述式)で出題頻度が高い内容について出題例と解答例をまとめました。
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空調設備
出題例
空調設備におけるダクト系の騒音対策に関する事項と制気口の計画に関する事項とに分けて、それぞれの要点をいくつか述べよ。
解答例
ダクト系の騒音対策に関する事項:
・空調機の吐出し直後に取り付ける消音チャンバーは、チャンバーの容積を大きくして乱流を少なくする。
・ダクトの曲がり部分での騒音を防ぐために、消音エルボを設ける。
・低周波の騒音を減衰させるために、マフラータイプの消音器を設置する。
制気口の計画に関する事項:
・インテリアゾーンの吹出口は、拡散性の高いアネモ型とする。
・ペリメーターゾーンの吹出口は、ライン状とし、窓面からの放射熱を防止するために、窓面に向かって吹出す。
・吸込口は、スリット型とし、吸込風速は2.0m/s以下となるように計画する。
空調・換気設備
出題例
大空間の居室に設ける空調・換気設備の計画について、その要点をいくつか述べよ。ただし、ダクト系の騒音対策に関する事項と制気口の計画に関する事項は除く。
解答例
・高天井で大空間空調となるため、気流分布が均一で、在室者の必要換気量を安定して確保できる定風量単一ダクト方式とする。
・還気のCO2濃度による外気導入制御を行い、外気負荷の低減を図る。
・全熱交換器を用いて外気負荷の低減を図るとともに、中間期や冬期でも冷房が必要な場合に備え、全熱交換器を介さずに外気冷房が可能となるようなシステムとする。
・冷房や暖房効率を高めるために、空調運転開始後に予冷や予熱時間の外気取入れを停止させる。
給排水設備
出題例
厨房に設ける給排水設備の計画について、その要点をいくつか述べよ。
解答例
・給水及び給湯やガス配管はメンテナンスを考慮し、天井配管とし、厨房器具への接続は上部からとする。
・厨房器具からの排水は、排水温度に見合った耐腐食性のある配管材料を選定し、防水層内の軽量コンクリート内を通して、排水側溝に接続する。
・排水側溝末端部には、グリース阻集器を設け、厨房排水系統の配管に接続する。
・厨房排水系統の排水管は、他の排水系統と比べ配管洗浄の頻度が高いので単独系統とする。
水の確保
出題例
大災害を想定した場合の水の確保に関する計画について、その要点をいくつか述べよ。
解答例
・飲料水受水槽出口に緊急遮断弁を設け、地震を感知した場合、遮断弁が閉止し、受水槽内水を確実に確保する。受水槽入り口にも緊急遮断弁を設置することで汚水の流入を防止する。
・飲料水受水槽に水栓と取付、受水槽から直接給水できるようにする。
・消火水槽や湧水槽の水を雑用水として利用できるようにし、ポンプに予備電源を設ける。
・地下水利用については、電力を使用しないことを前提として、手動で水をくみ上げる災害用井戸を検討する。
照明設備
出題例
省エネルギーを考慮した照明設備(非常用の照明装置及び誘導灯を除く)の計画について、その要点をいくつか述べよ。
解答例
・照明の設計照度は、JIS基準に準じ、かつ、初期やランプの交換直後の照度を補正する適正照度維持制御を用いる。
・タスクアンビエント照明方式を採用し、全般照明の省エネルギーを図る。
・窓側の方位別に昼光センサーを設け、方位別に昼光に連動した調光が可能な計画とする。
・不在ゾーンを消灯できるように、照明スイッチの点滅区分を検討する。
・最終退出連動制御による省エネルギー運用を可能とする。
太陽光発電システム
出題例
蓄電池を備えた太陽光発電システムの計画について、太陽電池に関する事項とそれ以外の事項とに分けて、それぞれの要点をいくつか述べよ。
解答例
太陽電池に関する事項:
・建設地における方位や傾斜角及び周辺環境に留意し、年間を通して日射量が最大となる向きに変換効率の高い太陽光パネルを設置する。
・太陽電池は、シリコン系太陽電池よりも薄く省資源で製造できるCIS系薄膜太陽電池を検討する。
太陽光発電システムの計画に関する事項:
・太陽電池モジュールの容量に応じた、変換効率の高いパワーコンディショナを選定する。
・昼間に太陽光発電で発電した電力を蓄電池に貯め、夜間に使用するとともに、災害時の事業継続のための保安負荷に供給できるように計画する。
排煙機
出題例
排煙機(排煙機の風量を除く)の計画について、その要点をいくつか述べよ。
解答例
・排煙機には30分以上継続運転できる予備電源を設け、停電時に自動的に切り替わるようにする。
・排煙機は、最上階の排煙口よりも高い位置で、かつ、保守点検が容易に行える場所に設ける。
・排煙機は、原則として、空調用とは兼用せず専用のものとする。
・排煙機の運転により室内に過大な負圧が予想される場合は、排煙機を回転数制御とする。
・排煙機の耐熱性能は吸い込み温度280℃の状態において30分以上異常なく運転できるものとする。
スプリンクラー
出題例
スプリンクラー設備の計画について、その要点をいくつか述べよ。
解答例
・水源は、地下ピット内に設け、水源容量は、ヘッドの同時開放数をもとに決定する。
・加圧送水装置は、地階の消火ポンプ室に設け、ポンプには予備電源を設ける。
・スプリンクラーヘッドは、一般的は閉鎖型湿式とし、電気関連設備を除く全館に設置する。
・火災を早期に感知する「高感度型ヘッド」の採用を検討する。
・階段や便所等スプリンクラーヘッドの設置を要しない場所は補助散水栓にて警戒する。
・屋上に消火用補助水槽を設け、配管内の湿式(充水)を確保する。
誘導灯
出題例
誘導灯の計画について、その要点をいくつか述べよ。
解答例
・通路及び室内の避難上有効な位置に避難の方向を示す通路誘導灯を、避難口の上部に避難口誘導灯を設置する。
・誘導灯は、表示面縦寸法に応じて定まる歩行距離以内に設ける。
・誘導灯は、電池内蔵型とし、停電時に蓄電池により20分以上点灯させる。
・誘導灯は、省エネルギーを図るためにLEDランプを採用し、原則として、常時点灯とする。
・誘導灯を補完するために、ランプや電池が不要な高輝度蓄光式誘導標識の設置を検討する。
非常用自家発電設備
出題例
屋上に設置するキュービクル式非常用自家発電設備の計画について、機器の設置に関する事項とそれ以外の事項とに分けて、それぞれの要点をいくつか述べよ。
解答例
機器の設置に関する事項:
・点検に便利で、火災等の災害による被害を受ける恐れが少ない箇所に設け、外部から容易に人が触れることが出来ないようにする。
・キュービクルの操作面には1m、点検面には0.6m、換気面には0.2mの保安距離を確保する。
非常用自家発電設備の計画に関する事項:
・建築基準法や消防法に基づく非常用防災設備に対して、停電時に40秒以内で非常電源の供給を可能とする。
・非常用発電機の燃料は災害対応を考慮して72時間分を確保する。
・定期的に負荷運転または内部観察等を行い、運転性能を確認する。
エレベーター
出題例
常用エレベーターの計画について、その要点をいくつか述べよ。
解答例
・エレベーターの台数は、交通需要のピーク時の5分間のエレベーター利用人数や平均運転間隔をもとに算定する。
・エレベーターのかごの積載荷重は、かごの床面積をもとに算定する。
・駆動装置や制御器に故障が生じ、かご及び昇降路の出入口の戸が閉じる前にかごが昇降した場合などに、自動的にかごを制止し、人が挟まれることを防止する戸開走行保護装置を設ける。
・安全装置として地震時管制運転や火災時管制運転及び停電時救出運転機能等を設ける。
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