このページは現役の建築基準適合判定資格者が作成しています。
建築基準適合判定資格者の過去問解説がインターネット上に少ない！ っということで、平成28年度試験過去問題（考査B 計画２）に関する問題と解答解説です。
 |
建築物の防火避難規定の解説 2023 [ 日本建築行政会議 ] 価格:4950円 |
問題
解答解説
No.１：建蔽率→適合
理由）
・異なる２以上の地域にわたるため、建ぺい率は敷地面積の加重平均による。
・特定行政庁指定の角地で、準防火地域内の耐火建築物のため、建ぺい率に2/10加算する。
＜建築面積の限度＞
（6/10＋2/10）×22/42＋（8/10＋2/10）×20/42＝376/420
3,024㎡×376/420＝2,707.2㎡
＜計画の建築面積＞
2,291.9㎡≦2,707.2㎡：適合
根拠規定）
・法第53条第１項
・法第53条第２項
・法第53条第３項
・令第２条第１項第二号
No.２：容積率→適合
理由）
・異なる２以上の地域にわたるため、容積率は敷地面積の加重平均による。
＜延べ面積の限度＞
20/10×22/42＋30/10×20/42＝1,040/420
3,024.00㎡×1,040/420＝7,488.00㎡
＜計画の延べ面積＞
・下記は延べ面積に算入しない。
１）EVシャフト20.44㎡＋13.84㎡＋11.44㎡＋6.60㎡×４=72.12㎡
２）共同住宅の共用廊下等70.9㎡＋37.7㎡＋54.5㎡＋65.55㎡×４=425.3㎡
３）車庫508.3㎡＋1,025.05㎡＋479.05㎡＝2,012.4㎡＞9,734.55㎡×1/5＝1,946.91㎡
よって、1,946.91㎡算入しない。
４）防災倉庫71.50㎡≦9,734.55㎡×1/50＝194.691㎡
よって、すべて算入しない。
9,734.55㎡－1,946.91㎡－71.50㎡－72.12㎡－425.30㎡＝7,218.72㎡≦7,488.00㎡：適合
根拠規定）
・法第52条第１項
・法第52条第７項
・法第52条第６項
・令第135条の16
・令第２条第１項第四号
・令第２条第３項
No.３：道路高さ制限（南側A道路、西側B道路、北側C道路）→不適合
理由）
・容積率の限度が1,040/420≒24.7/10より、
１）近隣商業：適用距離20ｍ以下、勾配1.5
２）第一種住居：適用距離25ｍ以下、勾配1.25
・道路の反対側の境界線は、後退距離だけ外側の線とする。
・第一種住居地域において、幅員が12ｍ以上の場合、前面道路の反対側から後退距離だけ外側が、幅員に後退距離の２倍を加えたものに1.25を乗じた以上の区域においては、勾配は1.5とする。
・幅員の最大な道路境界線から、幅員の２倍以内かつ35ｍ以内、及び、その他の道路の中心線から10ｍをこえる区域（以下、区域αとする）は、最大な道路幅員を有するものとみなす。
・高さの算定は、路面の中心からによる。
南側Ａ道路
・３階屋根
4.4ｍ＋12ｍ＋4.4ｍ＝20.8ｍ＞20ｍ：適用外
西側Ｂ道路（区域α内）
＜近隣商業地域＞
・４階屋根
3.9ｍ＋12ｍ＋3.9ｍ＝19.8ｍ≦20ｍ：適用内
限度 19.8ｍ×1.5＝29.70ｍ
計画 15ｍ≦29.70ｍ：適合
・７階屋根
3.9ｍ＋12ｍ＋10.1ｍ＝26.0ｍ＞20ｍ：適用外
＜第一種住居地域＞
・４階屋根
3.9ｍ＋12ｍ＋3.9ｍ＝19.8ｍ≦25ｍ：適用内
（12ｍ＋3.9ｍ×2）×1.25＝24.75ｍ＞19.8ｍのため、勾配は1.25のまま。
限度 19.8ｍ×1.25＝24.75ｍ
計画 15ｍ≦24.75ｍ：適合
・７階屋根
3.9ｍ＋12ｍ＋10.1ｍ＝26.0ｍ＞25ｍ：適用外
西側Ｂ道路（区域α外）
＜第一種住居地域＞
・４階屋根
3.9ｍ+6ｍ+3.9ｍ＝13.8ｍ
限度 13.8ｍ×1.25＝17.25ｍ
計画 15ｍ≦17.25ｍ：適合
北側Ｃ道路（区域α外）
＜第一種住居地域＞
・階段室１
1.4ｍ＋６ｍ＋6.9ｍ＝14.3ｍ≦25ｍ適用範囲内
限度 14.3ｍ×1.25＝17.875ｍ
計画 24ｍ＞17.875ｍ：不適合
北側Ｃ道路（北側道路の中心線から10ｍを超える）
＜第一種住居地域＞
・階段室２
1.4ｍ＋12ｍ＋8.8ｍ＝22.2ｍ≦25ｍ適用範囲内
（12ｍ＋1.4ｍ×２）×1.25＝18.5ｍ≦22.2ｍのため、勾配は1.5となる。
限度 22.2ｍ×1.5＝33.3ｍ
計画 24ｍ≦33.3ｍ 適合
根拠規定）
・法第56条第１項第一号
・法別表第３
・令第130条の11
・法第56条第２項
・法第56条第３項、第４項
・法第56条第６項
・令第132条
・令第２条第１項第六号イ
No.４：隣地高さ制限→適合
理由）
・異なる２以上の地域にわたる場合、それぞれの地域ごとに制限を受ける。
・高さの算定は、地盤面からによる。
＜第一種住居地域＞
・高さ20ｍを超えるため、制限を受ける。
・７階屋根
限度（2.9ｍ＋2.9ｍ）×1.25＋20ｍ＝27.25ｍ
計画 24.0ｍ≦27.25ｍ：適合
＜近隣商業地域＞
・高さ31ｍを超えないため、制限を受けない。
根拠規定）
・法第56条第１項第二号
・法第56条第５項
・令第２条第１項第六号
No.５：用途地域内の用途制限→不適合
理由）
・異なる２以上の地域にわたるため、敷地の過半に属する地域（第一種住居地域）の制限を受ける。
（１）附属車庫
・床面積が延べ面積（車庫を除く）を超えていないが、３階以上にあるため、建築できない。
（２）物品販売業を営む店舗及びサービス業を営む店舗、附属車庫
・物販店舗等は、500㎡を超え、また３階以上にもあるため、（は）項に該当しない。
・附属車庫は、3,000㎡を超えていないが３階以上にあるため、（は）項に該当しない。
・よって、計画の物販店舗等及び附属車庫は、（は）項の建築物以外で合計で3,000㎡を超えているため、建築できない。
（３）共同住宅及び診療所
・（ほ）項に該当せず、建築できる。
根拠規定）
・法第91条
・法第48条第５項
・法別表第２（ほ）項
・法別表第２（は）項
・法別表第２（へ）項
・令第130条の７の２
・令第130条の５の３
・令第130条の５の５
・令第130条の７の２
No.６：３階部分の廊下４の幅→適合
理由）
・居室の床面積が200㎡を超える階で、両側に居室がある廊下の幅は、1.6ｍ以上としなければならない。
・廊下４は両側に居室があり、幅が2.0ｍのため、適合
根拠規定）
・法第35条
・令第117条第１項
・令第119条
No.７：防火区画（竪穴区画（自動車車庫を除く。））→不適合
理由）
・計画建築物は、主要構造部が耐火構造で、３階以上の階に居室を有しているため、竪穴区画しなければならない。
・ダクトスペースは、耐火構造の壁で区画されており、適合。
・階段室１、２、４及びEVシャフト１、２、３は、耐火構造の床、壁又は令第112条第19項第二号の特定防火設備で区画されており、適合。
・階段室３は、３階部分で廊下４との区画において、準耐火構造の壁又は令第112条第19項第二号の防火設備が設けられていないため、不適合。
根拠規定）
・法第36条
・令第112条第11項
・令第112条第19項第二号
No.８：共同住宅部分の内装制限（管理室及び自動車車庫を除く）→適合
理由）
・計画建築物は、耐火建築物で共同住宅の部分が３階以上で300㎡以上あるため、特殊建築物による内装制限を受ける。
・住戸は、200㎡以内ごとに耐火構造の床、壁及び防火設備で区画されているため、適用除外。
・集会室、エントランスホール、共用廊下１・２、階段室１・２は、壁及び天井の仕上げが準不燃材料又は不燃材料のため、適合。
・計画建築物は、階数が３以上で500㎡を超えるため、規模による内装制限を受ける。
→共同住宅の部分が31ｍ以下のため、適用除外。
根拠規定）
・法第35条の２
・令第128条の４第１項
・令第128条の５第１項
・令第128条の４第２項
・令第128条の５第４項
No.９：排煙設備の設置（店舗用倉庫１、事務室、住戸）→不適合
理由）
・計画建築物は、物品販売業を営む店舗及び共同住宅の用途に供する特殊建築物で、500㎡を超えているため、排煙設備を設けなければならない。
（１）店舗用倉庫１
・高さが31ｍ以下で、壁及び天井の仕上げが準不燃材料で造られ、開口部が特定防火設備のため、適用除外。
（２）事務室
・令第112条第19項第一号に規定する防火設備によって区画されてなく、また、内装の仕上げが不燃材料でないため、適用除外されない。
→排煙設備が設置されておらず、不適合。
（３）住戸
・200㎡以内で耐火構造の床、壁及び防火設備で区画されているため、適用除外。
根拠規定）
・法第35条
・令第126条の２
・平成12年告示第1436号
・令第126条の３第１項
コメント