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必須問題(文章記述式)で出題頻度が高い内容について出題例と解答例をまとめました。
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蓄電式空調システム
出題例
蓄電式空調システムにおける蓄熱槽に関する事項とそれ以外の事項とに分けて、それぞれの要点をいくつか述べよ。
解答例
蓄熱槽に関する事項:
・蓄熱槽の効率を高くするため、二次側の空調機は大温度差対応とし、二方弁で流量を制御し、利用温度差を大きくとる。
・連通管の口径及び配置を適切にし、蓄熱槽数を多くすることで、蓄熱槽効率を高める。
・蓄熱槽には断熱防水を施し、熱損失を小さくする。
蓄熱式空調システムに関する事項:
・蓄熱コントローラを使用して、残蓄熱量と外気温度などから翌日の負荷予測を行い、熱源機器の最適起動時間を演算し、蓄熱制御を行う。
・二次側配管系統は、熱交換器を用いて密閉回路とし、配管及び機器の腐食防止と搬送動力の削減を図る。
空気調和設備
出題例
空気調和設備の計画について、建築的手法による環境負荷の低減に関する事項と設備的手法による省エネルギーに配慮した空調システムに関する事項とに分けて、それぞれの要点をいくつか述べよ。
解答例
建築的手法による環境負荷の低減:
・断熱性能の高いLow-e複層ガラスを用いて、熱負荷の低減を図る。
・ガラス面にブラインドやスクリーンを用いて日射の影響を軽減する。
・中間期における積極的な自然換気を促進するため、自然換気用の給排気窓を設ける。
設備的手法による省エネルギーに配慮した空調システム:
・ペリメータゾーンとインテリアゾーンの系統を分け、インテリア系統はVAV方式を採用し、低負荷時の送風動力の節減を図るとともに、冬期や中間期の外気冷房を行う。
・CO2センサーの設置により、還気のCO2濃度による外気導入制御を行い、外気負荷の低減を図る。
飲料水給水設備
出題例
飲料水給水設備における水質保全対策とライフサイクルコストの低減手法について、その要点をいくつか述べよ。
解答例
水質保全対策:
・クロスコネクション防止策として、飲料水系と雑用水系は異なる配管材料を使用し、保温材を色分け、系統表示を明確にする。
・逆サイホンによる逆流を防止するため、適切な吐水口空間を確保する。
・排水の逆流を防止するため、排水口のある機器類は間接排水とする。
・機器や配管からの有害物質の溶出防止策を図る。
ライフサイクルコストの低減手法:
・節水型器具や節水コマ等を採用し、上下水道費用の削減を図る。
・高効率なポンプを採用し、搬送動力を低減する。
・長寿命でリサイクル可能な配管材料を採用し、LCCの低減化を図る。
排水通気設備
出題例
屋内に設ける排水通気設備の計画について、その要点をいくつか述べよ。
解答例
・1階の排水は単独系統とし、上階からの排水の圧力変動による破封及び逆流を防止する。
・地上階の排水は自然流下で排水し、地下階の排水は排水槽に貯留し、排水ポンプで屋外桝へ排水する。
・排水管の通気は、伸頂通気管及び通気立管を設け、ループ通気方式とする。
・排水槽の通気は単独系統とし、屋上で開放する。また、開放先は外気取入れ口や窓との離隔距離を確保する。
・飲料用受水槽の排水は、排水の逆流を防ぐため、間接排水とし、150mm以上排水口空間を確保する。
照明設備
出題例
照明設備において、昼光連動調光制御方式を採用する場合の照明設備(非常用の照明装置及び誘導灯を除く)の計画について、昼光連動調光制御方式に関する事項とそれ以外の事項とに分けて、それぞれの要点をいくつか述べよ。
解答例
昼光連動調光制御方式に関する事項:
・窓側の方位別に昼光センサーを設け、方位別に昼光に連動した調光が可能な計画とする。
・昼光などの瞬時の変化や外乱光などに影響されないように、センサーに入射する光量の測定周期及び測定データ数を設定する。
それ以外の照明設備の計画に関する事項:
・照明の設計照度は、JIS基準に準じ、かつ、省エネルギーを図るためにLEDなどの高効率な光源を採用する。
・不在ゾーンを消灯できるように、照明スイッチの点滅区分を検討する。
・初期やランプの交換直後の照度を補正する適正照度維持制御を用いる。
保安接地
出題例
保安接地の計画について、その要点をいくつか述べよ。
解答例
・高圧機器の絶縁不良による漏電及び感電事故に対処するためにA種接地を設置する。また、接地抵抗は10Ω以下とする。
・高圧機器内の混触事故による低圧回路の対地電圧を150V以下とするために、B種接地を設置する。
・低圧機器の絶縁不良による漏電及び感電事故に対処するためにC及びD種接地を設置する。また、接地抵抗はそれぞれ10Ω及び100Ω以下とする。
機械排煙設備
出題例
機械排煙設備における防煙区画、排煙機及び排煙口の計画について、それぞれの要点をいくつか述べよ。
解答例
防煙区画:
・同一防煙区画においては、自然排煙と機械排煙を併用しないこととする。
・居室及び廊下や厨房は、それぞれ防煙区画を分けて計画する。
・空調ゾーニングとの整合をとり、最大区画は500m2以下とする。
排煙機:
・排煙機には30分以上継続運転できる予備電源を設け、非常時に自動的に切り替わるようにする。
・排煙機は、原則として、空調用とは兼用せず専用のものとする。
排煙口:
・排煙口は可動間仕切区画ごとに設置し、各区画に手動開放装置を設置する。
・排煙口の手動開放装置は壁付とし、床からの高さ80~150cmに設置する。
・排煙口は区画内の各部分から水平距離(歩行距離)30m以内の位置に設ける。
消火設備
出題例
消火設備と消火活動上必要な施設のうち、配管設備を伴うものの計画を行い、その種類と対象とする階又は室を記入せよ。ただし、無窓階はないものとする。
解答例
種類:屋内消火栓設備
対象とする階又は室:全館(受変電設備室、非常用自家発電設備室、空気熱源設備室除く)
種類:不活性ガス消火設備
対象とする階又は室:受変電設備室、非常用自家発電設備室、空調熱源設備室
種類:連結送水管
対象とする階又は室:階段室
自動火災報知設備
出題例
自動火災報知設備の計画について、その要点をいくつか述べよ。
解答例
・受信機は管理機能が優れたR型を採用し、火災感知の他に、防火戸や排煙機、ガス漏れなどの制御機能をもつ複合盤とし、防災上の管理者がいる中央監視室に設ける。
・感知器は設置場所に応じて、地上有窓部分には差動式スポット型、地階や階段及び縦シャフトには煙感知器、湿気が多い厨房や給湯室には防水タイプの定温式感知器とする。
・地区音響装置や発信機は、建物内の各部から水平距離や歩行距離に留意して配置する。
・配線は主に耐熱ケーブルを使用する。
非常用自家発電設備
出題例
非常用自家発電設備の計画について、発電機の仕様や容量に関する事項、発電機の運転時間やオイルサービスタンク及び保守管理に関する事項に分けて、それぞれの要点をいくつか述べよ。
解答例
仕様や容量に関する事項:
・停電は不足電圧継電器にて検出し、40秒以内に非常電源の供給を可能とする。
・非常用電源設備の容量は、非常用の照明装置や排煙設備、消防用設備が同時に始動し、かつ、同時に使用できる出力とする。
・防災電源用の配線は耐火ケーブルを使用する。
運転時間やオイルサービスタンク及び保守管理に関する事項:
・非常用発電機の燃料は、災害対応を考慮して72時間分を確保する。
・オイルサービスタンク容量の110%以上貯留できる防油堤を考慮する。
・オイルサービスタンクから防油堤までは、保安上0.5m以上の離隔を確保する。
・定期的に負荷運転または内部観察等を行い、運転性能を確認する。
サイバーセキュリティ
出題例
サイバーセキュリティ対策に関する事項について、その要点をいくつか述べよ。
解答例
・Wi-Fiルーターが乗っ取られてウィルスの侵入を許し、プライバシーが漏洩するなどの恐れを防ぐために、安全性の高いWi-Fiルーターを選択し、SSIDやパスワードを定期的に更新する。
・会員制による利用とし、ICカード型やスマホアプリ型会員証など電子的に入退出管理ができるシステムを導入し、部外者を入場させない仕組みを導入する。
・会員証には、有効期間の設定および定期的な更新の仕組みや紛失時に即座に機能を失効させる仕組みを実装させる。
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